褥瘡対策指針
医療法人友仁会 友仁山崎病院(以下「当院」)における褥瘡対策を確立し、質の高い医療・看護を提供するために、本指針を定める。
総則
1-1 院内褥瘡対策に関する考え方
1)褥瘡予防
当院に入院する全患者対象に褥瘡発生リスクの検討を行ない、褥瘡発生予防に必要なケアを提供する。
2)褥瘡の早期発見につとめ、発生時は局所の処置だけにとらわれず、褥瘡有病者を全身的に捉え、他職種と共働し早期に治癒するようつとめる。
1-2 用語の定義
1)褥瘡推定発生率
・(調査日に褥瘡を保有する患者数-入院時既に褥瘡保有が記録されていた患者数)÷調査日の入院患者数×100%
[注1]入院時既に褥瘡を保有していた患者であっても、新たに入院中に褥瘡が発生した場合は、院内褥瘡発生者として取り扱う。
2)褥瘡有病率
・調査日に褥瘡を保有する患者数÷調査日の入院患者数×100%
[注1]調査日の入院患者数:調査日の入退院予定者は含めない
[注2]1名患者が褥瘡を複数部位保有していても、患者数は1名として数える。
院内褥瘡対策のための委員会およびその他の組織に関する事項
2-1 院内褥瘡対策を推進するために、院内褥瘡対策委員会を設置する。
1)本委員会は、院内褥瘡対策についての最高決議機関としての役割を担う。
2)本委員会は、院長の承認を受け選出された、委員長(専任医師)・専任看護師(師長)・専従看護師・管理栄養士・薬剤師・看護師・事務により構成される。
3)本委員会の開催は月1回の定例開催をする。緊急時は必要に応じて臨時会議を開催する。
4)本委員会メンバーは、褥瘡発生の機序を全身的にとらえる為、栄養サポートチームと兼務し、組織横断的に活動する
5)決議内容は院長の承認を受け、全ての職員に周知される。
院内褥瘡対策に関する職員研修について
3-1 院内褥瘡発生予防と褥瘡治療に関して全ての職員が役割を理解し、実践できるよう随時全体研修を開催する。
3-2 職員は、研修会が実施される際には積極的に受講することに努めなければならない。
3-3 研修後はアンケート調査を実施し、教育効果を確認する。
褥瘡対策を目的とした報告手順
4-1 褥瘡予防チェックシートを用い、入院時すべての患者に「日常生活自立度」を判定する。
4-2 「日常生活自立度」を判定し、褥瘡を有しないJ1~A2の患者に関しては、各患者のカルテにチェックシートを保管する。
4-3 「日常生活自立度」B1~C2もしくは褥瘡を有する患者に関しては、「褥瘡に関する危険因子評価票並びに診療計画書を作成し、原本は各患者のカルテに保管、1部コピーをとり褥瘡管理者が保管する。
4-4 入院中に褥瘡が発生した場合は「褥瘡発生・転帰報告書」を褥瘡管理者に提出する。治療の結果、褥瘡が回復した場合および退院などにより経過が追えなくなった場合は転帰を記載しカルテに保管する。
医療従事者と患者との間の情報の共有に関する事項
本指針は当院ホームページに掲載すると共に、患者及びその家族から閲覧の要求があった場合はこれに応じるものとする。
その他院内褥瘡対策推進のために必要な基本方針
6-1 褥瘡対策委員会のメンバーは褥瘡予防に関する企画・立案をし、院内褥瘡対策委員会に提言する。
6-2 褥瘡対策を行い、組織的運営も考慮し、経済性も考える。
6-3 褥瘡管理者は、業務内容やサーベイランスしたデータなど所定の記録を定期的にまとめ、委員会で検討し施設に提出する。
作成日 平成25年4月